皮膚科学の権威・川島教授
スキンケア・コラム

冬のスキンケア

秋が深まるとともに、空気が乾燥し、寒さも厳しくなり、室内の暖房の使用も増えて、外気のみならず室内も乾燥してきます。この季節になると、膝から下や腰の肌がカサカサして潤いがなくなってくるのを感じる方も多いと思います。油分の多い顔の肌では乾燥症状は目立ちませんが、夏に比べると顔の肌も明らかに乾燥しています。

この肌の乾燥は、皮膚の表面にある角質層の水分が減少することが原因です。角質層の水分は、汗の水分と気づかないうちに肌の内側から外気に蒸発していく水分(不感蒸泄)が角質層に蓄えられたものです。寒くなるとこれらの水分の供給が減少します。また角質層には、その表面に毛穴から出てくる油分(皮脂)と水分が混ざってできる皮脂膜があり、水分の蒸発を防いでおり、角質層ではアミノ酸、尿素などの天然保湿因子(NMF)水を抱え込んで蓄えており、角質層の細胞間にはセラミドなどの細胞間脂質が存在し、これも水分を蓄える役割をしていますが、年齢とともに徐々にこれらの水分保持に役立つ因子が減少してきます。そのため、秋から冬はほとんどすべての方が肌の乾燥を自覚されることになるのです。

この肌の乾燥を改善するには潤いのある角層を取り戻すことが大切です。そのためには、化粧水で水分を補い、NMFを含んだ乳液、クリームそして特に乾燥のひどい部分には美容液を使用することにより、角層ケアを行いましょう。角層を良い状態を保つことで、皮膚全体の機能も改善し、自分本来のNMFの生成も向上します。

冬は特に保湿成分の豊富な化粧品をたっぷりと使っていただきたいと思います。全身の肌の洗浄も肌に優しい油分を取りすぎない洗浄剤を使用してください。また室内の暖房も過剰にならないように気を付け、加湿器なども一緒に使いましょう。

川島教授 プロフィール

川島 眞

東京大学医学部卒業
パリのパスツール研究所に留学後、
東大皮膚科講師を経て東京女子医大皮膚科助教授、
平成4年に東京女子医大皮膚科主任教授に就任し、現在に至る。
前日本香粧品学会理事長、前日本美容皮膚科学会理事長