梅雨明け後、最高気温35℃を超える猛暑日が連日続いている状況です。また、コロナも5類へ変更となり、全国各地でお祭り、花火大会などのイベントが4年ぶりの開催で盛り上がっています。コロナを克服したわけでは無いのですが、インフルエンザ並みの扱いとなり、日々マスクを外している人が増えているように感じます。旧暦では、8月8日が「立秋」で、古くからの日本の手紙の文面では、8月7日までが暑中お見舞い、8月8日以降は残暑お見舞いと書き分けることとなっていますが、猛暑はしばらく続きそうなので、この書き分けも現実に即したものにすべきでしょう。美容の面では、猛暑の夏は過酷極まりないものです。今回は「猛暑の夏の美容ライフ」についてお届けしたいと思います。
猛暑の夏本番、肌も熱中症に注意!
連日、熱中症のニュースが溢れています。まず、熱中症について整理してみましょう。
かつては、日射病とか熱射病など様々な言われ方をしていましたが、現在では熱中症として括られています。体温が上がり、体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体温の調節機能が働かなくなったりして、体温の上昇やめまい、けいれん、頭痛などの様々な症状を起こす病気のことです。具体的には、高温であるだけでなく高い湿度環境が加わることで、立ちくらみ、大量の発汗、頭痛、気分の不快、吐き気、嘔吐、倦怠感、虚脱感などの症状を発症します、重度の場合には意識障害、けいれん、手足の運動障害、高体温状態となり命の危険にも晒されます。
猛暑環境が肌にもたらすもの
熱中症の症状がなくても、猛暑環境は、肌にとっても悪影響をもたらします。言わば肌の熱中症と形容しても良いのではないでしょうか?
・ 発汗による肌水分排出による乾燥
・ 発汗とともにビタミン・ミネラル流出による栄養素不足
・ 発汗による肌汚れ
・ 暑さとエアコンの冷えによる寒暖差による代謝不良
・ 直射日光による光老化
このような状態を放置しておくと、肌は夏バテ状態に陥り、くすみ、シミ、肌荒れ、シワ、たるみなどの肌トラブルを助長するばかりでなく、肌老化も促進してしまうことに。
肌の熱中症・夏バテ対策
熱中症予防対策が、そのまま肌にとっても有効と言えます。
次のような対策を意識したスキンケアライフを送りましょう。
・ 発汗対策として、発汗には体温調節という大切な役割がありますので、発汗を防止するのではなく、発汗することをポジティブに捉え、発汗した後に肌表面の体温が下がったことを確認してから、汗を拭き取る、あるいは洗顔やシャワーで洗い流しましょう。
・ 寒暖差対策が必要です。アウトドアでは暑さや日差しを避けることを意識しましょう。室内では、羽織りものでの冷え対策をしてください。
・ 直射日光対策としての帽子・日傘などの利用も必須とお考えください。
汗とともに流出し不足しがちになってしまう栄養素ビタミンとミネラル
栄養素としてのビタミン、ミネラルとは?
ビタミン、ミネラルとは、5大栄養素(タンパク質、炭水化物(糖質)、脂質、ビタミン、ミネラル)の内の1つです。ビタミン、ミネラルともに、体で生成することが出来ず、外から摂取しなければならない補酵素的な栄養素です。サプリメントで補うことも出来ますが、食生活を通じて摂取することが基本となります。
ビタミンの基礎知識
ビタミンには、水溶性のビタミン9種類、脂溶性ビタミン4種類の計13種類があります。他のビタミンは単体ですが、ビタミンB群だけが、“群”としてグループ表現されています。1つのビタミンとして発見され、その後、複数のビタミンが混ざったものとして研究が進んだとの経緯によるものです。
過去にビタミンとして研究されたビタミン様物質なる物質が多々ありますが、現在、ビタミンとして分類されているのは13種類のみです。この内、美容に深い関わりを持つビタミンA/C/EおよびB群について説明します。
①ビタミンA
別名レチノールと呼ばれ、発育促進や健康維持の作用を発揮する意味で「抗酸化ビタミン」の一つです。
②ビタミンC
美容ビタミンの代表格です。コラーゲンの生成をサポートするだけでなく、メラニンの生成を抑える作用により、化粧品配合の美白成分としてのビタミンCの誘導体は有名です。
③ビタミンE
別名トコフェノールと呼ばれ、体内の脂質の酸化を防いてくれる抗酸化ビタミンの一つです。
ビタミンA,C,Eは3大抗酸化ビタミンの代表格で、総称してビタミンACE(エース)と呼ばれることもあります。
④ビタミンB群
ビタミンB1, B2, B6, など..多種類があり総称してビタミンB群と呼ばれます。総じて、皮膚・粘膜の健康維持に作用する他、それぞれ次の様な特徴的な作用を合わせ持っています。
ビタミンB1・・・ 疲労回復
ビタミンB2・・・ 代謝維持
ビタミンB6・・・ 皮膚炎予防、口内炎予防
ミネラルの基礎知識
ミネラルは、約100種類ほどあると言われていますが、私たち人間のカラダに必要なミネラルは16種類と言れており、それらを「必須ミネラル」と呼びます。具体的には、カルシウム、リン、カリウム、硫黄、塩素、ナトリウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、クロム、ヨウ素、セレン、モリブデン、コバルトの16種類です。
これら16種類の必須ミネラルは、その必要量に応じて、主要ミネラルと微量ミネラルに分類されています。
主要ミネラルは、カルシウム、リン、カリウム、硫黄、塩素、ナトリウム、マグネシウムの7種類とされ、微量ミネラルは、鉄、亜鉛、銅、マンガン、クロム、ヨウ素、セレン、モリブデン、コバルトの9種類とされています。
必須ミネラルは、骨や歯の形成、タンパク質の生成、代謝の促進など、必要量は微量でありながら、私たちのカラダの維持・形成に欠かせない栄養素です。
美容の観点では、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、銅、鉄、カリウム、マンガンをバランスよく摂取することが必要です。
ビタミン、ミネラルともに外から摂取せねばならない栄養素で、この時期、発汗により排出されることで不足しがちになることから、美容の面で意識して補うことが大切です。
「猛暑の夏本番!熱中症、夏バテ対策に着目したスキンケアライフ」についてお届けしました!次回のテーマは「初秋のスキンケア」をお伝えします。