“実りの秋”に始めるスキンケア

2022 September


日中は暑くても日が沈むと涼しくなり、外はセミの鳴き声から、鈴虫やコオロギのさえずりへ。夏から秋へと季節の変化を感じる瞬間が増えてきました。
世界はまだコロナ禍から抜けきれない状況ではありますが、政府も社会経済活動の維持を主眼にインフルエンザ並みの対応にシフトしようとしているようです。
これからも個人でのコロナ対策は怠りなく、季節を実感しながら生活の充実を目指したいですね。


秋肌が陥りやすい肌状態3点

さて、暑い夏を過ごされた皆さんの肌状況はいかがでしょうか?
夏を過ごした肌は高温多湿、発汗、紫外線などの影響でデリケートな状態になっています。今は気になるところは無いという方も安心・油断することなく、肌状態の変化を意識し、夏肌疲れが現れていないかチェックしてみましょう。

乾燥
肌からの水分蒸散量が上昇し続け、外気の湿度が下がり続けると乾燥へ一直線。冬を迎える前にお肌がカサカサになってしまうことも。乾燥が気になる方は、保湿ケアをしっかり行いましょう。

代謝不良
気温が急に下がる日もあるこの季節、衣替えのタイミングが遅れて冷えを感じる場面はありませんか?気候の変化にカラダ・お肌がついていけず、代謝不良になり角質が硬化し、くすみやゴワつき症状を起こします。

肌老化
春から夏に浴び続けた紫外線による肌老化(シワ・ハリ不足・たるみなど)が、時間差で現れやすい時期でもあります。肌状態が止まりがちな冬を迎える前に、年齢を問わずエイジングケアをしっかり行うことが大切です。


秋だからこそ肌に与えたい栄養(美容成分)

昨今「保湿」「美白」「エイジングケア」が、化粧品に期待される3大効能と捉えられる傾向があります。
“実りの秋”は、これからくる寒い冬を過ごす動物たちに天が与えた恵でもあり、効能豊かな化粧品によるスキンケアは冬を迎える前の秋に、肌への栄養補給と言い換えても良いのではないでしょうか?

肌への栄養となる成分① 保湿
アミノ酸、ピロリドンカルボン酸、乳酸、尿素、グリセリン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、植物および海藻などの抽出物

肌への栄養となる成分② 美白
アルブチン、コウジ酸、エラグ酸、ルシノール、リノール酸、トラネキサム酸、アデノシン-リン酸二ナトリウム、デクスパンテノール、ニコチン酸アミド、4-メトキシサリチル酸カリウム塩など

肌への栄養となる成分③ エイジングケア
アデノシン三リン酸、ペプチド類、三フッ化イソプロピルオキソプロピルアミノカルボニルピロリジンカルボニルメチルプロピルアミノカルボニルベンゾイルアミノ酢酸ナトリウム、レチノール、ニコチン酸アミドW


保湿成分

美容成分の基本中の基本である保湿成分。ヒトの体は水でできていてその水分量は年齢とともに低下し、加齢とともに肌の老化が進んでしまいます。化粧品に配合される保湿剤には様々なものがありますが、大きく分けて2つ。水分を保持する役割の“ヒューメクタント成分”と、水分の蒸散を防ぎバリア機能の役割を持つ“エモリエント成分”があります。

1.ヒューメクタント保湿成分
ヒューメクタント保湿成分は、天然保湿因子(NMF : Natural Moisturizing Factor)に代表される、水分保持機能を発揮する成分です。NMFは角質細胞の中にあり、年齢とともに減少。このNMFと同様の機能を発揮する保湿剤をNMF系保湿剤と呼びます。
水と強く結びつくことで保湿作用を発揮するポリオール系保湿剤もあり、またヒアルロン酸に代表されるムコ多糖類系保湿剤は比較的分子量が高く皮膚へ浸透させるのが難しいため、皮膚表面で水分を保持しつつ、薄い水の被膜を形成し保湿機能を発揮します。

それぞれの代表的な成分は次の通りです。

NMF系:各種アミノ酸、ピロリドンカルボン酸、乳酸、尿素、無機塩など
ポリオール系:グリセリン、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレン、グリコールなど
ムコ多糖類:ヒアルロン酸およびその誘導体、コンドロイチン硫酸など

2.エモリエント保湿成分
エモリエント保湿成分は、水分保持機能のヒューメクタント成分に対して、水分蒸散を防ぐ機能とバリア機能を発揮する成分で、代表的なものは皮膚の細胞間脂質の主成分であるセラミドです。

“ヒューメクタント成分”の代表格であるNMFも、“エモリエント成分”の代表格であるセラミドも、ヒトが自ら持ち合わせていますが、近年の研究や探索によって、同様の機能を発揮する保湿成分が誕生してきました。

エモリエント成分は、セラミド系と油剤系に大別されます。セラミド系は、ヒトが自ら持ち合わせるセラミドを模した、化合物や類似構造の植物由来のもの。油剤系は、角質層上に油膜を形成するかたちで同様の機能を発揮させるものとなります。

それぞれの代表的な成分は次の通りです。

セラミド系:各種セラミド、グルコシルセラミド(植物系)
油剤系:流動パラフィン、ワセリン、スクワラン、ラノリン、ミツロウ、ホホバ油、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソセチル、大豆油、ヤシ油、パーム油、オリーブ油など

世に溢れる化粧品は、すべて成分表示されています。お手元にある化粧品が、どのような保湿成分が配合されているのか、確認してみてはいかがでしょうか?メーカーとして製品に込めた保湿への想いが見えきて、また違った発見があると思います。

今回は夏から秋へ季節の変わり目、初秋のスキンケアのヒントをお届けしました。
次回テーマは、“秋本番、肌にも栄養を!”についてお伝えします。

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