3月の歳時記としては、3日の「ひな祭り」、21日の「春分の日」の二つのイベントがありますね。ひな祭りの起源は、草や木でつくった人形(ひとがた)を厄払いの意味で川や海に流した風習と言われ、江戸時代あたりから現在のような雛人形を飾り女の子の節句として定着したようです。一方、春分の日は太陽が地球の赤道上に位置し、昼と夜の時間がほぼ同じとなる日。この日を境に夏至までの間、昼の時間が長くなって行くので太陽光が降り注ぐ時間が長くなり続け、暖かさが増してゆくことになり、植物は芽吹き、まさに覚醒、目覚めの時期と言えます。
今回は、春突入の季節に意識したいスキンケアについてお伝えします。
桜の開花は春到来のサイン
ウェザーニュース社による2022年の桜の開花予想(2月16日現在)によれば、なんと東京がトップで3月19日、関東以北ほど平年より早いと見込まれています。
学校の入学式(4月初旬)の頃に桜を背景に記念写真を撮影するイメージが強いですが、年々桜の開花時期が早まっている印象です。桜を含め、春に開花する植物は、秋から冬にかけての気温の状況、そして開花直前の気温推移に応じて、春の到来を告げるかのように開花します。
お住いの地域によって気候状況も異なり、季節の移り変わりのタイミングも違うものとなります。桜の開花をサインとして、開花前は保湿重視の冬仕様のスキンケア、開花後はお肌ストレスとなる花粉、PM2.5 、紫外線などの太陽光ケア対策を意識したスキンケアへシフトするタイミングとして捉えましょう。
春分の日は本格的な太陽光ケア開始のサイン
2022年、今年の春分の日は21日で、春分とは太陽が真東から昇り真西に沈む日となり、昼と夜の時間がほぼ等しい日となります。この日は時差の関係で1日ずれる国もありますが世界共通で、うるう年があるように数年に1度、1日程度ずれることがあります。この時期は冬眠をしていた生物が動き初め、人の生活にも新しい希望と活力がもたらされる時であることから、古人はこの日を「自然に感謝し春を祝福する日」としていました。
また、皇室では、春季皇霊祭として祖先の神霊を祀る大祭が行われる日であり、この大祭にちなんで春分の日の前後7日間を彼岸として先祖を供養する風習となっています。秋分の日も同じで、皇室では秋季皇霊祭の大祭が行われ、秋の彼岸の風習となっており、春分の日、秋分の日はともに祝日です。一方、夏至・冬至には皇室行事が無く、祝日となっておりません。
スキンケアの視点では、春分の日を境に、太陽光が降り注ぐ時間が1日12時間を超え、夏至に向けてその時間が長くなり続けます。気候変化に関係なく、この期間と時間は不変ですので、本格的な太陽光対策を意識するタイミング、サインとなります。
免疫力を意識した睡眠と食事
前月の『冬の終わり、春目前のスキンケア』で触れた免疫力を意識した美容ライフの4項目の内「良質な睡眠」「バランスの良い食事」の2項目について具体的な取り組みのヒントをお伝えします。
<良質な睡眠>
睡眠は、食事、運動、飲酒、喫煙などの生活習慣と同様に人間の健康と深く関係しています。
脳や心身の休息のために欠かせない睡眠。良質な睡眠習慣のために意識したい取り組みについてお伝えします。
●入浴でしっかり心身を癒す。好みの香りの入浴剤も効果的です。
●就寝直前までのTV、スマホ、読書を控える。
●就寝直前までの飲酒、喫煙を控える。
●日付が変わる前にベッドに入り、就寝・起床時刻を一定に保つ。
●朝日が入りやすい寝室で目覚める環境をつくる。
<バランスの良い食事>
免疫力を高めるためには、腸の環境を改善し、その働きを活発にすることが大切です。免疫力を高める効果が、特に高い食材をご紹介します。
1.腸内環境を整える食物繊維、豊かな食材&発酵食品
大麦、玉ねぎ、大根、ごぼう、にんにく、らっきょう、エシャロットなどの野菜類、キウイフルーツ、パパイヤなどの果物類、わかめ、こんぶなどの海藻類、チーズ、ヨーグルト、漬物、納豆などの発酵食品
2.体を温める食材
根菜類、赤や黒などの暖色の野菜や果物、発酵茶(紅茶、中国茶、ほうじ茶)、生姜、にんにく、赤ワイン、全粒粉パン、玄米など
3.抗酸化食材
「β-カロテン」が豊富なトマトやホウレンソウ・ピーマン・ブロッコリーなどの緑黄色野菜、「ビタミンC」を多く含むパプリカ・ブロッコリー・じゃがいも・キウイフルーツ・柑橘類・イチゴ・柿など、「ビタミンE」を多く含む種実類(ごま・アーモンド・ピーナッツなど)やかぼちゃ・アボカド・うなぎなど
規則正しく、栄養バランスの良い食事をとることで、腸が活発に動き出します。さらに、ヨーグルトなどの発酵食品の他にも、食物繊維、オリゴ糖などの栄養素は、腸内細菌叢を改善して、免疫力を高めてくれますので、積極的に摂取するようにしましょう。
春突入の季節に意識したいスキンケアについてお届けしました。
次回は、“環境変化へのスキンケア”についてお伝えしたいと思います。