昨年2022年は、観測統計史上最も早く関東・東海・九州南部で6月中に梅雨明けが発表され、7月に入り連日の猛暑となりました。今年の梅雨明けはいつ頃になるのでしょうか?温暖化の影響であるのか、「梅雨」のイメージもかなり変わってきている印象ですが、梅雨明け後の7月は、肌にとって過酷な環境が襲いますので、肌の夏バテへの備えを意識したスキンケアへの取り組みが求められます。今回は「梅雨明け後のスキンケア」に焦点を当てたいと思います。
梅雨明け後、7月の肌環境を理解しよう!
梅雨明けを境に、7月の肌環境は過酷なものとなります。夏本番へ突入しますので外気は高温・多湿、一方でエアコン環境下の室内・車内は乾燥・低温という湿度・温度の変化が肌にストレスを与えます。
また、皮脂分泌が増える時期に加え、発汗を伴う環境となりますので、メイク汚れと肌汚れが混ざり合った汚れが肌荒れやニキビなどの吹き出物を誘発し、肌自体の抵抗力も衰えさせます。
冷房による冷えは、血行不良の原因となり、肌代謝を乱れさせます。追い打ちをかけるように、強烈な紫外線が肌の直接的な日焼けに加え肌老化を促進してしまいます。
つまり、高温・多湿、低温・乾燥、発汗、血行不良、紫外線…と肌トラブルを誘発する厳しい環境のオンパレードとなるのが7月です。
肌の夏バテへ備える美容ライフ
1.湿度・温度変化、血行不良への備え
湿度・温度変化が一日の中でも何度も繰り返す肌環境に対しては、乾燥対策とバリア機能強化を意識したスキンケア製品を取り入れることで、肌自体の抵抗力を高め、代謝不良に陥らない備えが必要です。
2.発汗による肌汚れへの備え
日中の発汗に加え、就寝中の発汗も肌にとっては大敵です。一方で、発汗のメリットも損なうことなく、水分は充分に補給しながら熱中症対策も行い、汗を小まめにふき取りましょう。帰宅時や起床時のクレンジング・洗顔で、肌汚れに起因する肌トラブルに備えてください。
3.紫外線への備え
日焼け止めが塗り足らない人が殆どであることがわかっています。日焼け防止のために肌を露出させない工夫に加えて、UVケア製品の日中での塗り足し、塗り直しを是非習慣化してください。怖いのは、すぐには感じることのできない、光老化です。
過酷な夏の美容ライフに「香り=アロマテラピー」を取り入れる
7月は内と外の寒暖差によって心身の変化も気になる時期です。毎日を楽しく、豊かに、健康に過ごすために「香り」を取り入れてみるのはいかがでしょうか。香りが心身にポジティブな影響を与えることは事実ですので、暮らしの中に「香り」を取り入れることは美容と健康の観点でもプラスです。「香気療法」と訳されるアロマテラピーですが、精油((エッセンシャルオイル)に代表されるいわゆる「五感」の中の「嗅覚」を通じて「香りの力」が心身に与える影響を利用した植物療法の一つとなります。ヨーロッパでは医学療法の一つとして体系化されていますが、日本では、アロマテラピーの資格は公的なものでは無いので、一般的には趣味の域にとどまっているというのが実態です。医師が医療の一つとして用いることは認められています。
精油とは?
植物の花、葉、果皮、果実、種子、樹皮などから抽出した揮発性の芳香成分を含む油をさします。
そもそも植物は何故精油を生み出すのか?を考察すると精油に基づくアロマテラピーの意義が見えてきます。
・ 香りの誘因効果(フェロモン)により鳥や昆虫に受粉や種子の運搬を託す。
・ 精油の芳香などの忌避効果によって害虫やカビなどの有害な菌から植物を守る。
・ 葉に粘液性のある精油を産出し昆虫などに食べられないように身を守る。
・ 周囲に他の植物が生育するのを抑制する。
・ 精油が汗のように蒸散することにより、自らを冷却し太陽熱からその植物を守る。
つまり、これら精油の本来の働きを、私たちヒトの心身の自然療法に転用する考えに基づくものがアロマテラピーですが、伝承的な精油による各種治療の中には科学的・医学的に間違っている例も存在し、その使用、活用には注意が必要です。
精油の化粧品への応用
化粧品への応用としては、精油によっては肌刺激があるものもあり、その選択と配合量に注意を払い利用されています。香り成分としては合成香料では再現しえない自然ならではの香りが特徴的ですので、リラックス効果などに繋がる精油をベースとする香り付けは有用です。
「夏バテへ備えるスキンケア」についてお届けしました!次回のテーマは「夏肌癒しのスキンケア」をお伝えします。