肌が乾燥するメカニズム

2020.June


冬場になると大気が乾燥し、冷たい風も吹いて、
多くの方の肌は乾燥してしまいます。

さらに室内の暖房により一層の低湿度環境が出来上がり、肌の乾燥が進みます。

また冬に限らず近年は、夏でもオフィス内はエアコンにより低湿度に保たれており、長時間オフィスに居ると肌の乾燥を感じることがあります。このように、肌の乾燥は環境の湿度に左右されるのですが、同じ環境に居ても乾燥肌の程度には人で差異が生じます。その原因についてお話しします。

肌が乾燥するということは、皮膚の水分量が低下することです。

皮膚は表皮、真皮、皮下組織の3層構造を成しており、一番外側の表皮の表面には硬いケラチンというたんぱく質が重なり合っている角質層があります。

この皮膚のもっとも表層にある角質層は、顔ですとサランラップ1枚くらいの薄い膜ですが、肌が乾燥するかどうか、すなわち皮膚の水分量が減るかどうかはすべてこの角層の機能に委ねられています。
つまり、肌の乾燥は角層の乾 燥と言い換えられます。

角層が水分を保持する機能を発揮するために、角層の表面には毛穴から出てきた皮脂によるクリーム状の皮脂膜があり、角層細胞には天然保湿因子と呼ばれるアミノ酸などの水分保持因子が存在し、さらには角層細胞同士をつなぎとめている、セラミドなどの脂質からなる角質細胞間脂質があり、これらが共同で水分の保持を行っています。

加齢に伴う老化現象やもともとの肌質から、これらの因子が少ない方がおられます。また、アトピー性皮膚炎の方では現在症状がほとんどない方でもこれらの因子が減少している方もおられます。そのような方では、同じ環境に居ても他の方より肌の乾燥が起こりやすくなるわけです。

また、このような皮膚側の問題が少ない方でも、超低湿度環境では保湿のための因子が足りずに肌の乾燥を生じてしまいます。

では、この乾燥肌をどのようにケアすればよろしいのでしょうか。

お薬を飲んだり、油っこい食事を摂ったり、水分をやたらと摂取しても角層の水分量を増すことはできません。
角層から外気に逃げていく水分を角層にとどめることが大切です。
そのためには保湿力の高い塗り薬や化粧品をこまめに使用していくことです。

特に顔の保湿には、使用感に優れた化粧品を使用されることをお勧めします。
角層を保湿することにより、皮膚全体の機能が正常化して、皮膚の新陳代謝が改善されます。
美肌の基本は保湿です。

一年中、保湿を心がけてください。

お薬を飲んだり、油っこい食事を摂ったり、水分をやたらと摂取しても角層の水分量を増すことはできません。角層から外気に逃げていく水分を角層にとどめることが大切です。

そのためには保湿力の高い塗り薬や化粧品をこまめに使用していくことです。

特に顔の保湿には、使用感に優れた化粧品を使用されることをお勧めします。

角層を保湿することにより、皮膚全体の機能が正常化して、皮膚の新陳代謝が改善されます。

美肌の基本は保湿です。
一年中、保湿を心がけてください。


株式会社アクシージア 皮膚科学顧問
川島 眞 (かわしま まこと)

株式会社アクシージア 皮膚科学顧問
川島 眞 (かわしま まこと)

東京女子医科大学名誉教授
日本コスメティック協会理事長

  • 1978年
    東京大学 医学部医学科卒業
  • 1984年
    フランス パリ市 バスツール研究所乳頭腫ウイルス部
  • 1986年
    東京大学 皮膚科講師
  • 1992年
    東京女子医科大学 皮膚科 主任教授